深澤直人 / プロダクトデザイナー
1956年山梨県生まれ。1980年、多摩美術大学プロダクトデザイン学科卒業。同年セイコーエプソン入社。先行開発のデザインを担当。1989年渡米し、ID Two (現 IDEO サンフランシスコ)入社。シリコンバレーの産業を中心としたデザインの仕事に7年半従事した後、1996年帰国。2003年、NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。
現在、世界を代表する70社以上のブランドのデザインや、日本国内のリーディングカンパニーのデザインやコンサルティングを多数手がけている。日用品や電子精密機器からモビリティ、家具、インテリア、建築に至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。
人の想いを可視化する静かで力のあるデザインに定評があり、「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表わすとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。「au/KDDI」INFOBAR、「無印良品」壁掛式 CDプレーヤーはMoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久収蔵品に。「無印良品」壁掛式 CDプレーヤーはVictoria and Albert Museumの収蔵品に。「マルニ木工」HIROSHIMAアームチェアはDesignmuseum Danmarkのパーマネントコレクションとなり、2023年広島で開催されたG7広島サミットにおいて各国首脳が座るチェアとして採用された。
人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表している。
日本民藝館館長。多摩美術大学副学長。2022年、一般財団法人THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION 設立。21_21 Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。 マルニ木工アートディレクター。日本経済新聞社日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2010 年~14年グッドデザイン賞審査委員長。 2012年 Braun Prize審査委員。 2017年〜 LOEWE クラフトプライズ 審査委員。ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を持つ。イサム・ノグチ賞、IDEA金賞、iF design award 金賞、DNA Paris Design Awards、日本グッドデザイン賞金賞など受賞歴多数。著書に『深澤直人のアトリエ』(平凡社、2023年)、『ふつう』(D & Department Project、2020年)、作品集『Naoto Fukasawa EMBODIMENT』(PHAIDON、2018年)、『デザインの輪郭』(TOTO出版、2005年)など、共著に『DESIGN SCIENCE_01』(学芸みらい社、2023年)、『デザインの生態学──新しいデザインの教科書』(東京書籍、2004年)、『デザインの原形』(六耀社、2002年)がある。